花正月とほうそう神様

平成28年1月14日(木) 花正月。子供たちが、ほうそう神様へお参りしました。

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神津島では1月14日を「花正月」と呼んでいます。

花正月、物忌奈命神社では、先日のブログでも取り上げた「籤祭」が行われてます。
(籤祭りのブログを見る。)

この日、子供たちは椿の花が付いた枝と、お団子を刺した枝を持ってお参りをします。
お参り後、団子は食べています。

そして、お参り後の社には椿の花のみお供えされています。

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残念ながら、こどもたちのお参りの撮影に間に合わなかったので、
お参りの雰囲気は、どちらも昨年ですが、「本日の神津島1月14日(2015)」と、神津島観光協会ブログをご覧ください。


ここには、説明板があります。
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「ほうそう神様と花正月」

“正月の十四日を神津島では花正月と言い、子供らの無病息災を祈る行事が行われる。
 
この日は家毎に石臼で米の粉を挽き、直径三cmほどの団子を作り蒸し上げてから竹の小枝に数個をさし、
花の付いた椿の小枝と共に子供の数ほど神棚に供えておく。
 
やがて、学校や保育園から帰ってきた子供らは、神棚の団子と椿の小枝を持ち、
それぞれこの「ほうそう神様」へお詣に出かけて来る。
 
神前へ供え手を合わせたお詣の後、椿の小枝は残し、団子だけを下げて食べると、ほうそう神様の裏山へ登り、
手に手に「トベラ」の枝を折り戻って家へ持ち帰る。
 
家では、年寄り達が持ち帰ったトベラの枝を囲炉裏の中へ呪文を唱えながらくべる。
 
火の中でトベラは、はげしい音とともに、異臭と青白い煙を出し葉肉から気泡が出ては消えながら燃えていく。
このことにより、天然痘にかからない呪ないとした。
 
天然痘がなくなった現代もこの行事は続いているが、生活様式が変わり囲炉裏がなくなったのでトベラを持ち帰り燃やすことはなくなった。
 
島では、トベラのことを「シッチリ・バッチリの木」と呼んでいる。
それは、この木が火の中で燃える際、チリチリ、パチパチ、と独特の音を出すからです。“

昭和五十六年三月 神津島村

とあります。


ちなみに、文中に出てくるトベラの葉はこれです。
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たしかに、肉厚で、燃やすとパチパチ、シッチリバッチリと聞こえそうです。


さてさて、ほうそう神様いったい何者なんでしょうか?

まず、「ほうそう」とは「疱瘡」と書き、天然痘ウィルスによる流行病です。
非常に強い感染力で致死率も高く、世界的に恐れられていました。

日本では、6世紀あたりに大陸から流入したと推測されており、たびたび流行しています。
鎌倉の大仏も、「ほうそう」が大流行してしまったため建てたのではないかと言われているほどです。


まさか、神津島のほうそう神様の関連で鎌倉の大仏とつながりがあるとは思いませんでした。


そして、ワクチンの開発と人類の努力により、何千年も続いた、人類と天然痘の戦いに終止符が打たれました。
1980年にはWHOが天然痘の撲滅宣言をだし、「ほうそう」と呼ばれる流行病は一般市民の前から姿を消したのです。


そんな中、信仰の中で、天然痘が流行することを擬人化、神格化して「ほうそう神様」は生まれました。
そのため、どちらかというと、疫病神の性質が強いです。

疱瘡が流行ったり、流行らないようお祈りをする所として、疱瘡神社なるものが生まれていき、
この神津島にも伝わり社が建てられたのだと推測されます。

社には一般的に、八丈島に流刑となった源為朝(みなもとのためとも)や
日本の医薬の神と信じられている少彦名命(すくなびこなのみこと)が祀られているのですが、
神津島はそのどちらなのか、どちらでもないのかは、調べていないのでわかりません。
なぜ、八丈島かというと、八丈島では疱瘡が流行せず、それが、源為朝が追い返したからと言われているからです。

次に、なぜ椿の花を供えるかというと、ほうそう神様は赤い色が苦手だとされています。
定かではありませんが、そのため赤に近い色を持ち、身近にある椿が使われたのではないかと思われます。

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天然痘は撲滅宣言をだされていますが、
現代でもエボラ出血熱の脅威が異国であったり、
新しい流行病が発生するかもしれない、どうなるかはわからない状況です。

島という特殊な環境だからこそ、ほうそう神様へのお参りとともに、
日々の健康管理、予防接種、衛星環境、などに視線を向けてみてはいかがですか?

このブログ記事について

このページは、産業観光課が2016年1月21日 09:07に書いたブログ記事です。

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